アレルギー性鼻炎(花粉症)
- 誘因・原因
- アレルギー症状を起こす原因である物質を抗原(アレルゲン)と言います。
アレルギー性鼻炎は
ハウスダストやダニ、スギやヒノキ科の花粉などのアレルゲンを吸入することにより発症します。 - 主な花粉の飛散時期
- スギ(春:2月~3月前後)
ヒノキ(春:4月~5月前後)
カモガヤ(夏:5月~9月前後)
ヨモギ(秋:8月~10月前後)
ブタクサ(秋:8月~10月前後) - 病態
- アレルゲンに反応するIgE抗体を持っている人がアレルゲンを吸入すると、化学伝達物質が放出されくしゃみ、鼻水、鼻づまりが生じます。
- 症状
- 「鼻をいじる、鼻をこする」、
「鼻がたれる、鼻をすする」、
「いびき、口を開けて寝る、口呼吸」
などの仕草をします。鼻以外の症状では、目を痒がったり、喉の奥がイガイガするなど不快感を覚えたり、激しく咳込んでしまうこともあります。
熱はあっても微熱程度で高熱にはなりません。
頭痛を訴える場合もあります。
- 検査・診断
- ガイドラインの沿って重症度を判定します。
問診を行い、鼻粘膜の状態を評価します。
血液検査で原因を調べる場合もあります。
当院ではアレルギーの血液検査は指先から数滴の血液を採取する方法も採用しています。
負担が少なく血液を採ることが難しい小さいお子さんでも検査することが可能です。 - 治療
- ガイドラインに沿った治療を行います。
軽症例では第2世代抗ヒスタミン薬がよく使われます。
中等症以上ではステロイド点鼻薬を併用することが多いです。
目のかゆみや充血に対しては、抗ヒスタミン薬を点眼します。
5歳以上のお子さんはアレルゲン免疫療法を行うこともできます。
6歳以上で手術中じっとしていることができるお子さんに対してはレーザー手術を行うこともできます。
※レーザー手術をご希望の方はどい耳鼻咽喉科(薬園台クリニック)にご紹介いたします。
- 家庭での注意点
- アレルギー性鼻炎の中で一番多いのはハウスダストと埃中に住んでいるダニです。
なるべく埃がたまらないようにしましょう。「鼻がかゆいために鼻をこする」というのが一番のサインです。
アレルギーのせいですから怒らないでください。 - 花粉症対策
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- マスクをして鼻内に抗原が入らないようにしましょう。
- すべすべした素材のコートを選びましょう。外出先から帰ったら、家に入る前に洋服の花粉を払い落しましょう。
- 花粉の飛散が多い時期は窓を開けないようにしましょう。
- 洗濯物は外に干さないようにし、外に干す場合には家に入れる前にしっかりと花粉を払い落しましょう。
- 代替医療として増加しているヨーグルト、乳酸菌剤ですが、効果ありと判断されている方は30%以下という報告があります。(参考)厚生労働省:アレルギー性鼻炎の代替医療(民間医療)
- 受診前にアレルギー症状が出た場合
- 夜間・休日などでクリニックを受診できない時にアレルギー症状が出た場合は、市販薬の抗ヒスタミン薬(市販薬を参照してください)を使用してもよいでしょう。
- ※市販薬では十分効果が得られない場合や眠気などの副作用が出る場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
- 市販薬
- <抗ヒスタミン薬>
3歳以上
キッズバファリン鼻炎シロップ、ムヒ子供鼻炎シロップ、宇津子供鼻炎シロップなど
(いずれも同じ成分)7~14歳
アレグラFXジュニア(店頭販売のみ)など
<点鼻薬>ザジテンAL鼻炎スプレー
(抗ヒスタミン薬 7歳以上)
<点眼薬>スマイルアルフレッシュキッズ
(抗ヒスタミン薬 4歳以上) - 豆知識
- 花粉症は英語で “hay fever” ということが多いです。
“hay” とは「干し草」の意味で、この “hay” が原因で鼻・のどがかゆくなったり、くしゃみ、鼻水に加えて熱っぽくなったことから “hay fever” と呼ばれたのがはじまりのようです。