急性鼻副鼻腔炎
- 誘因・原因
- 上気道や鼻腔のウイルス感染に続発することが多いですが、急性鼻副鼻腔炎を起こす原因の多くは細菌です。
- 病態
- 鼻の周囲にある骨には篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、上顎洞(じょうがくどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)という4つの空洞がありますが、これらを副鼻腔(ふくびくう)と呼んでいます。
- 副鼻腔炎は主にウイルス感染に続いて起こる、細菌による副鼻腔の二次感染です。
- 症状
- 発熱は37度の微熱から38度台まで様々です。
鼻汁は黄色膿性でにおいがあります。
通常は左右どちらかの副鼻腔に生じ、鼻をかもうとしてもうまくかめないことが多いです。
後鼻漏が湿った咳の原因になります。
頭が重く感じたり、頭痛を訴える場合もあります。
頬部が赤くなったり、腫れるのはかなり重症です。
まれに眼窩内や頭蓋内の合併症をきたすこともあります。 - 検査・診断
- 鼻鏡や小児用ファイバースコープなどで鼻内の観察を行います。
口腔内から後鼻漏がないか確認します。
細菌培養検査を行います。
薬円台クリニックでのCT検査をお勧めする場合もあります。
- 治療・薬
- ガイドラインに沿った治療を行います。
鼻汁吸引は重要です。
鼻処置や超音波ネブライザーで鼻副鼻腔の環境を整えます。
抗生剤や消炎剤の飲み薬を使用します。
- 家庭での注意点
- 小さなお子さんは、鼻をかめないので常に鼻をすするようになります。
また、痰のからんだような咳をしたり、寝ている時に鼻づまりのためいびきをかく場合もあります。
このような時は、早めにクリニックを受診し、慢性化しないように注意しましょう。
鼻をかむときは、片方ずつゆっくりとかみましょう。
鼻をかむのが難しいお子さんは、できるだけ自宅で吸引したり、医院で処置してもらいましょう。
- 受診前に自宅で痛みや熱が辛い時
- 夜間や休日などに受診できない時にひどく痛がったり、熱が辛らそうならば市販の解熱鎮痛剤(市販薬を参照してください)を内服しましょう。
風邪症状があれば市販の風邪薬(市販薬を参照してください)を内服しても良いでしょう。
こちらには解熱鎮痛剤が入っていますので解熱鎮痛剤を重複して飲ませないようにしましょう。
- ※その後必ず耳鼻咽喉科を受診しましょう。
- 市販薬
- <解熱鎮痛剤>
3か月以上3歳未満の場合
キッズバファリンシロップなど3歳以上15歳未満の場合
小児用バファリンチュアブルなど
<鼻水・咳などの風邪症状がある場合>注意:下記のお薬には解熱鎮痛剤も入っています。同時に上記の解熱鎮痛剤を飲まないようにしてください。
3か月~6歳
キッズバファリンかぜシロップ、ムヒこどもかぜシロップ、宇津こどこかぜシロップなど1歳~10歳
パブロンキッズかぜ細粒など5歳~14歳
パブロンキッズかぜ錠など7歳~14歳
ストナメルティ小児用など