滲出性中耳炎 大人
- 誘因・原因
- 耳管(耳と鼻をつなぐ管)狭窄や耳管開放によって、鼻咽腔の病原体が中耳に送りこまれることによって生じます。鼻副鼻腔炎、上咽頭腫瘍、耳管開放症、鼻すすりの習慣が原因となっていることがあります。
- 病態
- 中耳内に侵入した病原体に対する中耳粘膜の免疫応答により滲出液が分泌されます。耳管も炎症性に肥厚・狭窄するため滲出液の排出が妨げられ、炎症をさらに増悪させます。
- 症状
- 難聴 耳閉感など。
- 検査・診断
- 鼓膜の観察を行います。ティンパノグラムで鼓膜の可動性を調べます。難聴の場合は聴力検査をします。大人の場合は上咽頭に腫瘍がないか鼻咽腔ファイバースコープで観察します。
- 治療・薬
- 原因の鼻副鼻腔炎などの病気を内服薬などで治療します。
鼻すすりの習慣がある場合はやめることで症状改善し自然治癒することもあります。
貯留液が多く高度難聴の場合や内服治療でなかなか改善しない場合は鼓膜を切開して滲出液を吸引除去することがあります。
頻繁に繰り返すは鼓膜切開後に鼓膜喚気チューブを挿入することがあります。鼓膜切開やチューブ留置後に稀に穴が残る場合があります。 - 注意点
- 滲出性中耳炎は自然治癒する場合もありますが、長期にわたり改善がみられず、鼓膜の変化・悪化をきたすものもあります。治療せずに放置すれば、癒着性中耳炎、真珠腫性中耳炎などの後遺症を残す難治性の中耳炎に移行する可能性もあります。